2023/01/28 22歳の原点ノート「散髪」
暖房は思ったより効いていない。
寝る間際、喉が痛く成りそうな予感があったが、それ程悪化する事も無かった。
久しぶりに一回目のアラームで起き上がった。
多少効果が有るのかも知れないが、まだ初日なので分から無い。
真っ先に暖房を切る。
入り口、ユニットバスを隠す扉を開けば段違いの寒さが素肌に入り込んでくる。
直ぐにシャワーを浴びる。
風呂から出て、私服に着替える。
髪を切る事にした。
ゴミ袋に穴を空け簡易的なケープを作ってみた。
首の付根が左後ろだけ極端に薄く成ってしまった。
右側もそれに揃えて剃るが、変な仕上がりに成ってしまった。
寒さで震えながら、散らばった髪の毛を箒で集めた。
結局簡易ケープは役に立たず、首元から髪の毛が入り込んでいる。
そのままでは気持ちが悪いので、浴槽の排水口に金網をセットしてからシャワーを浴びた。
服を着直した後、帽子を被って家を出る。
一二時を過ぎた頃だった。
穴場は一般客で埋まっていた為、暫くアミコ東館を散歩していた。
エスカレーターで後ろに人が来ると、後頭部が気に成る。
トイレで鏡とインカメラを使って確認する。
帽子で丁度隠れているが、赤みが目立ってしまう。
後ろを取られないように注意を払って歩いた。
1Fの輸入の店に入った。
以前に食べたことが有るクッキーが二割引きで売られていたので、購入する。
一四八円は少し高いが、味は割と好きだ。
イートインは埋まっていたので、もう一度穴場を覗くと今度は空いていた。
前のホールでは子供の音楽発表会が開催されている為、綺麗めに着飾った親子が頻繁に出入りしている。
受付に人がいる場合は、ずっと視界に入ってしまう為、少し気不味い。
まずは二十歳の原点ノートを読み始める。
あっという間に中学三年の話も十一月に差し掛かる。
三月には受験も控えている。
彼女は小百合と名付けたノートを”ジュディー”と改名した。
ジュディーに対して「私はあなたに誠実さを持って接します」と宣言した。
彼女が気になる異性”杉本くん”の名前が挙がる。
彼が彼女に対して一切その気を見せない事を気に病んでいた。
ある日の場面では、五時間目に姿が無かった杉本くんに対して話し掛けていた。
「出張してたんだ」
彼はジョークを言う。
「出張手当は貰った?」
彼女もジョークで返すと、彼は笑ってくれたという。
嬉しいそうな文章を書き連ねていた。
彼女の死後、これを読んだ当人の気持ちを考えると、なんとも言えない。
これからもそんなシーンが続くのだろう。
そしてそれを見届けたい気持ちがとっくに芽生えていた。
他人の尊い思い出が、記憶にインプットされるのは感慨深い事だ。
時代ものが好きな人はそういう気持ちで見ているのだろうか?
いつか興味を持つ事が有るかも知れない。
年が明けた所で、読むのを止めた。
鑑賞に浸っていると喉が乾いてきた。
隣の自動販売機でコーラを購入する。
また無駄な散財をしてしまった。
ZAIKAさん案件の作業に取り掛かる。
今日はサイズが決まっていない看板のデザインを考える。
昨日から思い描いていた事がある。
ZAIKAさんのアイコンにもなっている自撮り写真から、シルエットを作ろう。
イメージは缶コーヒーのBOSSだ。
まずは写真をそのままトレースしてみるが、バランスが悪い。
同じような画像を検索してみる。
一つ、ZAIKAさんにそっくりなシルエットのイラストがあった。
これは単なるモデルとなった人物の形をトレースしたものでは無い。
もっとアニメ的視点で考えよう。
そのまま描く必要なんて無いのだ、と気が付いたのだ。
後頭部の形の囚われず描いた。
それなりにプロっぽい仕上がりに成ったのでは無いだろうか?
それを使って看板の文字配置を考えた。
二案用意出来たので、ZAIKAさんにLINEで送る。
”会社に行った際はLINE画面を見せないように!”という注意書きもアラビア語に翻訳して送った。
結局、今日は既読にすら成ら無かった。
PCの充電も切れ掛けていたので、社会人席を利用する。
途中、図書館イチオシの本の中に”ロゴづくり研究室”というタイトルが置かれていたので手に取る。
充電に差し込んだ後、読み始めた。
今まで流し読みしていた内容に真剣に向き合った。
内容もすっと入ってくる。
普段アイデア探しに活用しているPinterest同様、Instagramもインプットには有効的らしい。
ロゴには”手軽に真似て描ける”という評価も有るようだ。
様々な媒体で展開する事を考慮して作ると良い事は、昨日の”吉田製作所のロゴコンペ”と通ずるものがあった。
ノートにメモに取りながら読んでいったので、ロゴを作る時の手助けに成るかも知れない。
忘れないうちに試してみよう。