2023/01/22 22歳の原点ノート「冬眠」
深夜四時に日記を書き終えた。
湯船に浸かり、冷え切った体を温める。
近頃は風呂場にスマホを持ち込んで動画を視聴している。
ふと思い出した。
今日は早朝ランニングの集まりがあったのでは無いか?
グループを開き、イベントを確認するとやはりそうだ。
7時半からという事は、2時間ぐらいしか寝れない。
急いで視聴を止め、風呂を出る。
アラームをセットし眠りに就く。
そしてすぐにアラームで目が覚める。
眠りが深れれば起きられない可能性も充分にあった。
すぐには起き上がれない。
なんならグループに”体調が悪い”とでも言い訳しようかと思った。
しかし、それをしてしまったら、何かが崩れる。
葛藤はしていたものの、行くと言う決心は付いていた。
布団から出たのは、七時四〇分。
シャワーは浴び無かった。
寝癖が無い事だけを確認して家を出る。
最初の集合場所から僕が向かう合流場所へ移動時間は一五分前後が目安だ。
丁度始発の踏切に捕まった事も有り、時刻は七時四七分。
少し不安だったが、現地に着くとまだ一人だけの様だ。
その人と少し話していると、すぐに主催者の男性が歩いて来る。
今回も三人の様だ。
走る途中、募集サイトでの出会いの話になる。
三〇代も五〇代も、色々友達探しを頑張っている様だ。
いつもより意外な一面が垣間見えた時間だった。
一周走った後話し足り無いのか、もう一週歩く事に成った。
二周目の終盤辺りでもう一人、GENさんと言う男性が加わる。
寝坊した、と本人は言っているが僕とは訳が違う。
片道一時間走ってここまで来る時間を確保する場合に対しての寝坊だ。
この人は笑い方が独特だ。
歯を見せて目は笑っておらず、細かい音を連呼する感じだ。
僕はこの人の行動を尊敬するし、何となく賢い人だと思っている。
解散に成り、最初に話していた人と帰り道を歩く。
そういえば前回も思ったが、この人の名前が分からない。
今調べると荒木さんと言い、主催者は濱ちゃんだ。
そのまま日記に記さない方が良いか?
あまり人を渾名で呼ぶ事は無かったが、ここで新たな試みを持とう。
濱ちゃん、GENさん、アッキーと記す事にする。
現実では呼ぶつもりは無い。
アッキーは最近起きた出来事を話した。
彼はフィリピン人と交流があるらしく、駅前で困ってそうなフィリピン人風の外国人に話しかけたらインドネシア人だったそうだ。
そのインドネシア人の女性は、生活が困っているからお菓子を五〇〇円で売っていた。
アッキーはそれを買ってあげたそうだ。
クリスマスに同じような体験をした事を思い出した。
僕の場合は聞く耳を持たず断った。
おそらく困ってそうな彼女に話し掛けたのでは無く、話し掛けられた彼女が困っていたのだろう。
ともあれ、アッキーとはそれなりに打ち解けてきた。
部屋に戻る。
体調はそこまで悪く無かった。
お腹が空いていたので、松屋に行く事に決めた。
卵かけ定食は二九〇円と安価で、ご飯を特盛にしてもそのままの値段だ。
おそらく二合ぐらいだろうか?
自炊よりは高いが、手間無く満腹に成るのは有り難い。
そのエネルギーを一日に活かそうと言う狙いも実はあった。
しかし部屋に戻った後布団に入ったのが最後。
寝てしまった。
次に意識を取り戻したのは一五時。
しかもまだ眠いのだ。
それから何度か意識を取り戻すが、時間も確認せず寝続けた。
そして、ようやく布団を捲ると、すでに日は落ちていた。
時刻は一八時。
一日を無駄にした。
だが、あまり落ち込んでは居なかった。
意識を取り戻した際頭の中で、今日はとことん寝よう、と決めていたからだ。
そしてお腹も空いてくる。
ピーマンを肉野菜炒めに使いたい。
料理動画で種ごと炒めても良いと知ってから、試してみたく成ったのだ。
その為には肉とキャベツを買いに行きたい。
それよりもまずはシャワーを浴びよう。
石鹸で顔を洗うが、やけに目に染みる。
前の石鹸はこんな事無かった。
やはりドラッグストアで同じものを買いに行こう。
行きつけのスーパーの閉店時間を調べると二二時。
意外と長く開いている様だ。
なかなか外に出る気にも慣れず、結局閉店一時間前に成ってようやく重い腰を上げる。
米を研いで、炊飯のスイッチを押す。
キャップを被り、ダウンのフードを被せる。
自転車で一〇分、行きつけのスーパーに着いた。
豚肉とキャベツを籠に入れる。
油も残っているので、また唐揚げが食べたく成った。
今回は贅沢して鶏腿肉にしよう。
片栗粉も切れていたので追加する。
先程、店飲みの動画を見ていた所為で無性にビールが飲みたく成った。
久々に冷蔵のお酒コーナーに寄ったが、随分と値上がりしたものだ。
いつからかビールを買うように成っていたが、発泡酒でも良いのでは無いか?
のどごし生を籠に入れる。
家に帰るとすぐに料理を始める。
昨日の内に人参を切って鍋に入れておいた。
軽く火を掛け、キャベツ、ネギ、ピーマンを切っていく。
人参に火が通ったところで肉と野菜を全て加える。
生姜と大蒜を摩り下ろし調味料と一緒に鍋に入れ、蓋を締めて蒸し焼きにする。
その内に鶏腿肉も取り出し、唐揚げを仕込んだ。
仕上がった肉野菜炒めと炊かれた米を一緒に頂く。
完璧な仕上がりだ。
各野菜をまるごと使った為、全ては食べ切れ無かった。
残りは明日の朝に回そう。
湯船に浸かって、少し遊んでから日記を書き始めた。