2023/01/05 「22歳の原点ノート」
今日の目覚めは一一時。
動き始めたのは一四時を回ってからだった。
昨日は一一時のアラームはスルーしたことを考えれば、少しはマシだったろう。
空腹ではなかった。
昨日の替え玉二回のラーメンは夕方頃に食べたし、深夜三時にも一昨日食べたアヒージョの残り油でパスタを炒めてケチャップを落とし、ナポリタンにして食べていた。
ひとまず何も食べないほうが、夕食に丁度お腹が空き出すだろう。
先々月にアンチョビを初めて仕入れたのだが、家においておくには少し気持ちが悪い。
店で見かけたとき、中身はカニ味噌のようなペースト状のものを想像していた。
蓋を開けてみれば小さなイワシの切り身が八本ほど並んでいたのだ。
今回でようやく使い切ったが、思っていたより保ちは悪くない。
刻んでオリーブで炒めるとフレーク状になる。
安値でアヒージョを作るには持って来いだが、できればチューブ状で手軽に扱えるものが欲しい。
風呂場で後ろ髪を切った。
浴槽の排水に金網をセットし、大量の髪の毛が流れないようにしている。
手を洗いコンタクトを装着する。
鏡をとスマホのインカメラを使って後ろ髪が大雑把に揃っていることを確認する。
最後に手探りでカミソリの刃を首元を滑らす。
ついでにそのままシャワーを浴び、髭も剃った。
今日着て行く服に着替え、スマホを手に取った。
連絡は三名から入っていた。
一人は昨日のチャットサイトで知り合った女の子だ。
彼女が開いていたルームのタイトルは友だち募集中となっていた。
中に入ってみれば、口の悪いユーザーが屯しており、全く本題について話していなかった。
昨日の僕はチャンスだと思ったため、「友だちになりましょう!」と一言発すると、反応があった。
一対一でメッセージを送る機能を使っても良いか、確認を取ってからやり取りが始まった。
そこから普段使っているツールに乗り換えて、今のやり取りが始まっている。
チャットでは性別はわからなかったのだが、移動先ではおそらく彼女の自撮り写真がアイコンとして表示されていた。
今のところ悪くないやり取りができている。
この連絡はAngel Dustというラップの音楽について知っているか、というものだ。
調べてみると、最近知ったKANDYTOWNというクルーのメンバーが出した曲だ。
素直に名前だけ知っていることを伝えた。
とくに彼女とどうなろうという気もない。
僕は生活に人とのコミュニケーションを取り入れたいのだ。
彼女と話すことは、主にアニメや音楽に関する感想の交換になるだろう。
東京に住んでいるとのことなので、いつか出会う時が来るのかもしれない。
二つ目は、僕宛ではなくグループに投下されたメッセージだ。
グループは俺と優が主に運営しているようなものなのだが、普段から口数の少ないズンが飲み会の参加の意思表示をしていないことに対する連絡だった。
とくに問題なく飲み会は行われるそうだ。
最後は作曲担当のフェニルからだ。
「今回の曲を一行で表すと?」と聞いてきた。
少し考えてみたが思い浮かばず、どうでも良くなり無視することにした。
その数分後に、こちらに確認を取らずに動画を投稿していた。
自分が出した指摘は一つしか取り入れていなかったが、仕上がりを見て問題ないように思えた。
文字を震わせるのをなくして貰えただけでも良しとしよう。
あれはダサい。
.一六時、密かに楽しみにしていた口喧嘩祭というラップバトルの大会が始まる。
出場メンバーが、見知った顔が多ければ多いほど楽しいものだ。
当然僕は生配信で観戦する。
あまり好みのビートがかからず二回戦を突入する頃には興味が削がれていた。
ふと聞きたくなったラップの音源に切り替えて、洗面台で髪の毛を整える。
今日のノルマの日記はまだ手を付けていない。
一七時一五分発の汽車に乗る予定のため、四〇分ぐらい打ち込みに専念した。
汽車に移動してからも作業は続く。
執筆は進んだが、まだ書ききれていない気分だった。
駅から徒歩で、地元の焼肉屋まで向かう。
到着は七時五〇分で、集合時刻の一〇分前だ。
店に入り、思う存分話した。
ズンは相変わらず楽しそうに三人の話を聞くし、クウヤはしれっとしていて面白い。
優は周りをいじり始めて、僕はとにかく話した。
楽しく酔っ払った。
ズンが帰りに僕の住まい方面へ用事があるらしく送ってもらえることになった。
家についた後、なんとか最後まで書ききった。
やはり今日も、余裕はなかった。