2023/02/03 22歳の原点ノート「後悔」
一晩寝なかった。
ネガティブに成りそうな気持ちを振り切ると、次第にやる気が満ちてきた。
計画を練り、6時半と7時にアラームをセットする。
時間を守りながら、風呂に入り、手のマッサージを行う。
近頃手の乾燥が酷く、割れ目が痛い。
YouTubeで対策を調べた。
手の皮膚は他の皮膚と違って、皮脂腺が無い。
乾燥しやすいのだ。
冬場は多くの人が手荒れに悩まされるらしい。
まず手をしっかり拭くことだ。
濡れたままにしておくと余計乾燥するらしい。
そして、保湿だ。
特に成分は問わない。
手がベトベトに成るぐらい塗って、手の隅々を時間を掛けて揉む。
その後手袋をつければより効果的だと言う。
思えば、手を揉んだのは久しぶりだ。
血が巡るのを感じ、これは効き目が有る様に思える。
割れ目がある場合は、ステロイド軟膏を塗るとより効果的らしい。
家には無いので、この傷は自力で直していこう。
7時半からスターバックスに行くと決めていた。
寝ていない時の僕は、時より活動的に成る。
せっかくなのでモバイルオーダーを活用して見よう。
アプリを入れ登録を済ませると、クレジットカードを設定した。
ショートサイズのコーヒーでも380円と高額だ。
余り変わらぬ値段で他にもいくつか選択肢が有る。
ホットのアーモンドラテのショートにしよう。
一〇~一五分後に品を受け取るよう指示が出る。
少し動画で時間を潰してから家を出た。
スターバックスに着くと、前に二人並んでいた。
順番が回ってきて、モバイルオーダーだと伝えると、奥に誘導される。
どうやら自分で取って良かったみたいだ。
次からそうしよう。
席を確保し、一口啜る。
アーモンド感が強く、仄かに甘い。
次来た時はもっと甘みの強いものを注文しよう。
僕が入ってから数分後、次第に列が出来始めた。
インテリ系が集まっている。
朝のスタバの光景は新鮮だ。
確かまこなり社長が、毎朝友人とスタバで待ち合わせする習慣をおすすめしていた。
起きるきっかけには良いだろうが、僕にはリッチ過ぎる話だ。
自分のホームページデザインを進めた。
図書館が開くまでの間、暖房に守られようと思って来ているのに、出入り口の開閉が頻繁に行われているので店内は寒い。
作業もそこまで進んでいない。
寝て無い脳味噌だから仕方が無い。
少しでも進める事は重要だ。
九時が回ったので、飲み干したカップを捨てて店を出る。
アミコに入ると、3Fのギャラリー展が賑わっている。
ひょんな事に母校の卒業制作が本日から開催の様だ。
取り敢えずスルーして階段を上がる。
穴場が空いているので、そのまま作業を始めた。
全然集中できずに時間だけが過ぎる。
PCの残り充電も少なくなった所で、ギャラリーを覗く事に決めた。
階段を降りた先に、永田先生が居た。
髪を短く切っている。
直ぐに気付かれ声を掛けられる。
何か進展があってから連絡を入れようと思い、二ヶ月が経っていた。
少し気不味いし、寝不足で頭も回らない。
こう言う時は、上手く話せないものだ。
隣に居た生徒の紹介を受ける。
ギャラリーに入った。
一生懸命自身の展示作品の概要を説明してくれるが、余り頭に入ってこない。
そもそも彼の名前すらも忘れてしまった。
明日、もう一度ギャラリーで見てこよう。
僕は一昨年、このギャラリーをすっぽかした。
前代未聞だったという。
ある意味面白い、普通に呆れられる話だ。
多分今も、やれと言われたとて気乗りはしないだろう。
在校生二人と会場に残された後、少し気不味い会話が続き、早めに切り上げた。
苦い思い出が蘇り刺激を食らった。
早く何かしなければ、と言う気持ちに成る。
充電をする為に社会人席を借りる。
自分のホームページを彩る画期的なアイデアを探し続けるが、何も出ない。
ペンを片手に、ノートにはチグハグな単語しか書き込んでいない。
諦めて、途中から20分程仮眠を取った。
充電するだけで終え、帰りの支度をする。
帰り道、松屋に寄った。
驚くことにまだ朝だ。
290円の卵かけご飯セットを特盛で注文する。
変な緊張感から胃がキリキリして仕方が無い。
部屋に戻る。
寒い部屋で頭を冷やした。
絶対に寝ることはしない。
ある程度休んだら、もう一度図書館に出掛ける。
今日中に永田先生に連絡をすること、デザインを一つ作る事を決めた。
明日からもそうだ。
日記だけで満足していられない。
毎日出来る事を増やしていか無ければ。
家主に見せる名刺のデザイン二案目を進めた。
過去の友人に会った。
実は何度か見かけていたが、どのシーンもコンタクトを付けていなかったので確証が持てなかった。
今、顔を確認して確証に近いものを得た。
勇気を出して声を掛ける。
「なあ、近藤だよな?」
尋ねると、そうだと答えるが、こちらは誰だか分かっていない様子だ。
苗字を伝えると、下の名前で呼び直してきた。
直ぐに硬い空気は消え去った。
彼は今、警察官を目指しているらしい。
勉強に良い穴場だと思って、最近この場所に通い始めた様だ。
近藤は、もう一人の過去の友人、藤見の名前を出す。
僕ら三人は小学校の頃テニス仲間だった。
中学に成って僕だけがソフトテニスに移行した為、疎遠に成っていったのだ。
藤見も同じく公務員を目指している様で、二人は今でもやり取りが続いている様だ。
今度、藤見も誘ってここに来ると言っていた。
少し気分が晴れる様な出来事だった。