2023/01/30 22歳の原点ノート「狂った精力」
”即興小説”のチャット部屋に入った。
やはり名前を覚えてくれている。
土曜日が進捗公開日だったのをすっかり忘れていた。
今夜は、作業部屋として機能している。
主催は席を外しており、一人のメンバーとやり取りした。
サクラ・ラ・ラブソディの続きを見たいと言う声が多く上がっていたらしい。
僕の作品が”人気”だったと言われて、気持ちが舞い上がった。
人の興味を引くストーリーを作る才能が有るのでは?と希望も膨らむ。
来週の進捗公開には参加して続きを見せよう、と言う気持ちに成った。
作業部屋なので、前回の続きに取り掛かる。
読み返すと、途端に自信が失せていく。
日記同様、修正はきちんと行おう。
即興小説だから思いつきで書いている為、もっと設定を彫り詰める必要が有る。
今日は前回の修正が終わった所で切り上げる事にした。
今週はこれにも手を付ける!絶対!
深夜三時には寝る準備が出来ていた。
それから二時間ぐらいは目を瞑っていたが、脳みそが軽く稼働を続けるので意識は途絶え無い。
朝の六時に成った所で寝るのを諦めて、スマホ画面を見続けた。
七時に成ると同時に起き上がり、暖房を切ってシャワーに向かう。
すぐに出かけようと思っていたので、髭も剃る。
コンタクトを装着し、裸のまま髪を整えて鏡を見る。
体の湿疹が全く治まら無いどころか悪化している。
金属アレルギーかイエダニの影響かと推測している。
食料を置かなく成っても降りてくる鼠を何とかしたい。
今まで後回しにしてきたが、今日中に対処しよう。
風呂を出たのが九時。
ボヤケた頭で考え事をしていると、時間が飛ぶのはいつもの事だ。
八時には支度を済ませて、スタバに行くつもりだった。
今はデザインがしたいし、図書館が開くのは九時だ。
初めての試みで日記のネタにも良いだろうと思ったのだが、この時間に成ってしまえば行く理由としては弱い。
今日はミッションも多いので、一日を乗り切る為に活力をチャージしたい。
僕は、何度か利用している二郎のフランチャイズ店に行く事にした。
近頃、自転車を漕いで出掛ける事が極端に少なく成った。
ペダルを漕ぐのは重いし、受ける風も冷たくてストレスだ。
”豚乃家”裏手の駐輪場にマウンテンバイクを停めて店の前に立つ。
入り口に支度中の看板が立てられている。
Googleマップで営業時間を確認する。
一一時から開店で、まだあと五〇分近く有った。
来る前に確認した筈なのだが、何故間違った?
徹夜脳とは恐ろしいものだ。
僕は自転車を停めたまま、北へ向けて歩く。
何が有るか正確に把握していなかったが、ドラッグストアが見えたので立ち寄る。
ラーメンを食べるよりも先にイエダニ駆除のスプレーを買う事にする。
イエダニに刺された時の症状について改めて調べる。
やはり歯の金属アレルギーより鼠が原因である可能性が高い。
片方を解決すれば分かる事だから、さっさと対応するべきだったんだ。
家に麻婆の素が余っていたので、豆腐も買っておいた。
ポケットに詰めると実に不格好だ。
歩いて戻った所で、すでに営業が始まっていたので入店する。
味噌豚ラーメンを選ぼうとしたが、カレーのラーメンに入れ替わっていた。
期間限定メニューだったのか。
カレーと言う気分でも無いので、ノーマルな豚ラーメンを選択する。
大蒜有りの野菜脂マシマシで注文する。
このカスタムを小で注文するのが、僕にとっては丁度良い。
汁まで飲み干した。
家に戻り、直ぐにSeriaに向かう。
木材を考えて選び、その他、前から揃えたかったものを合わせて購入する。
部屋に戻って、まずはコンロ下からライトを付けて確認する。
溝には糞らしきものが想像以上に溜まっていて、不快感を覚えた。
左の流し下から侵入するルートさえ塞げばコンロ下は安全だ。
木材が溝に丁度収まる為、縦の長さだけ調節して両面テープで貼り付けた。
一方、流し下は真ん中に排水パイプが有り、塞ぐには少々手間が必要だ。
こっちは扉さえ締めておけば出てくる事は出来ないので、取り敢えずはそのままにしておこう。
これで、僕が留守の時に鼠が部屋を徘徊する事は無く成る筈だ。
ソファーベッドと掛け布団等にイエダニに効くスプレーを振り掛ける。
寝てる間に枕が滑り落ちるのが不満だったので、マジックテープを活用してベッドに固定した。
また今度時間があれば、布団もベッドに縫い付けて固定しよう。
床に落ちたゴミを箒で集め、フローリングワイパーも掛ける。
続いて、玄関ドアが風でガタガタと音を鳴らさないよう、隙間テープを貼っていく。
少し強めに閉め無ければいけなく成ったが、一切揺れ動かなくなったので満足だ。
冷気が気持ち抑えられている気もするが、夜に成ってみないと分からない。
作業途中、鼠捕りの粘着がお気に入りのシルクブルゾンに付いてしまった。
幸い手首の部分だけ布製で、袖の角に付いた程度だから大事には至らない。
手に付いた粘着は執拗く纏わり付いてくる。
範囲が少しでも広ければ服は台無しに成っていた。
この服は最も大事なものの一つなのだから、気を付け無ければ。
その後、再びアミコに出掛ける。
イートインスペースが誰もいない。
貸切状態で作業を始める。
指が乾燥し、指の腹に裂け目が出来る様に成った。
絆創膏を毎日のように替えるが、風呂で剥がれて付け直すまでの間に又割れる。
指を折り畳むのがいけない様で、絆創膏の中で割れる事もある。
もう貼るのを止めようと思う。
もっと料理人の手みたいに頑丈な皮が出来れば良いのだ。
痛さを我慢して、使い続ければいつか手に入るだろうか?
それに痛さから逃げている自分なんてダサいでは無いか。
指の裂け目ぐらい乗り越えよう。
二十歳の原点ノートの様に生真面目な考え方をしてみる。
作業をしようにも、今度は眠気が邪魔をする。
以前徹夜した際、ある時から急に眠気を忘れ集中を取り戻せたのを思い出した。
その時は確か、一〇分程仮眠を取って、缶コーヒーを飲んだ。
帽子を深く被り、目を瞑ると心地良かった。
大体一〇分ぐらい経つとやはり頭が冴えてくる。
折角なのでダメ押しに、とドリップ式の自動販売機でカフェラテを選ぶ。
紙コップ一杯で一四〇円と高いが、結構ミルキーで美味しいのだ。
それから日記を書き始める。
1Fが閉館し4F、穴場へ移動する。
いつもの高校生が二席陣取っているが、構わず残りの席に座った。
とうとう彼らはスイッチを持って来て、スマブラをするまでに成った様だ。
残り二時間でデザインも組み込もうとしたが、やはり頭は万全ではなく、修正作業で時間を食ってしまった。